ウミガメの寝床

#07

 出港前、今日のダイビングで何が見たいか、ゲストのみんなと打ち合わせをしている時のこと、ハゼが見たいとか、ウミウシが見たいとか、いろんな意見が出ているなか「ウミガメに会いたい」との一声に「いるの?アタシも会いたい」と、次々にウミガメ票が投じられ、満場一致でまずはウミガメポイントに向かうことにしたわけだが、とても細かいことが気づになってしまった。

 幸い、ウミガメポイントがある御神崎エリアには、他のダイビング船は来ていなかった。
 船を停め、ブリーフィングを済ませたあと、エントリーの直前で、また一人の女性ダイバーが『会いたいね、会えるかなぁ…?』と言った。

 50分ほどのダイビングで、ソフトコーラルの上で休んでいるアオウミガメにかなりの至近距離まで近づくことができ、船に戻る途中でも、水面に向かって泳いでいるまだ若いアオウミガメを見つけろことができて、おかげでエキジット後の船の上は、和気あいあいの賑やかムードで、そのあとのランチ休憩では、ウミガメの話でもちきりだった。
 
 八重山でも数十年前までは、スンカリヤーというウミガメ漁が盛んだった頃があったらしいのだが、ウミガメの個体数が減ってきたり、漁にも制限や条件をつけられるようになり、ウミガメ漁をする漁師が減ったりしたことで、またたくさんのウミガメが石垣島にも、戻ってきたのだと聞いたことがある。
 
 そして、石垣島のアオウミガメは、ソフトコーラルを寝床にしていて、だいたいいつも同じ寝床に戻ってくるため居場所を特定することができ、広いソフトコーラルの群生がある御神崎のエリアには、数カ所にカメの寝床があるため高確率で見ることができるのです。

 外国ではウミガメは海の守り神として、とても大事にされていたり、あんなに大きくて可愛らしい目から涙を流し、一生懸命に産卵するところが感動的なんだとか、そんな神秘的なエピソードもウミガメの人気を呼んでいるのだろうと思う。
 
 みたいな話が止めどなく続いているとき、やっとここで、今日これまでずっと気になっていたことを聞くチャンスがやってきた。
 
 ねぇ、ハゼやウミウシは「見たい」って言うのに、どうしてウミガメは「会いたい」なの…?
 『わかんないけど、なんとなく自分より大きいからかな』
 『へぇ〜、そうなんだぁ〜』と、どこかのテレビのリアクションをしてしまったが、確かに大型の生き物には小さな魚類とは違った見方があったかもしれないかも。

 だから、彼女に言わせると、マンタやイルカの場合も「会いたい」らしい。

 じゃサメは?格好いいでしょ?と聞いたら、『あんまり会いたくない』と言われてしまったが、でもサメも「会い」たくない、と使うわけね。

 海生生物への愛情と興味がわかりやすく伝わり、しかも可愛らしい回答が聞けた。

関連記事

ページ上部へ戻る