
石垣島でダイビングをしたことがある、ダイバーはそのほとんどが「マンタ」のことを知っていると思います。
見たい魚リクエストにも、必ずと言っていいほどその名前があがってきます。
石垣島のマンタは基本的に、一年を通して見られますが、遭遇率の高さでいうと、やはり川平のマンタポイントが有名で、夏から秋にかけてのマンタシーズンには30隻くらいの船が泊まっている時もあるほどです。
川平エリアの「石崎マンタスクランブル」でマンタが見られるようになったのは約20年前、それ以上とも言われていますが、ここ数年では、近くにも高確率で遭遇できる「マンタシティ」と呼ばれる新たなポイントが見つかったり、かなり広い範囲で見られようようになってきました。
マンタは、エイ類のなかでは世界最大の大きさと言われていますが、大きく分類して体長が7mほどになる外洋性の大型マンタを「オニイトマキエイ」と呼び、沿岸域に暮らす体長5メート未満のひとまわり小さいマンタを「ナンヨウマンタ」と呼び、石垣島のマンタは「ナンヨウマンタ」だと言われているようです。
しかし、マンタって大きくて、あんな形をしていて…、あっ!見れた!だけではもったいないと思いませんか?
マンタのことをもう少しわかってから潜ると、よりいっそうマンタダイビングが楽しめるはず。
たとえば、一度に数匹のマンタを見たら、その数を数えるだけで満足ですか?
人に名前があったり、顔がひとりひとり違うように、マンタを見分ける方法がちゃんとあるのです。
背中側は黒いけれど、お腹側が白いマンタは、そこに個体を識別する黒いアザがあって、よく観察すると、そのアザが1個体づつ違う模様なのです。
人でいうところの、指紋みたいなものだという話があります。
目の前を通り過ぎていったマンタが、今度は違う方向からやってきた時、お腹の模様を見ておくと、それがさっきのと同じ個体かどうかを簡単に見分けることができます。
もちろんオスとメスの見分け方もあります。
マンタの目の下の糸巻きと呼んでいる口ヒレを、ヘラ状に伸ばしていたり、クルクルと巻き込んでいたりするのですが、何故そんな行動をとるのでしょう?とか、考えながらも潜るとさらに楽しみが増えてきます。
せっかく憧れのマンタに遭うのなら、石垣島に潜りに来たのだからマンタを見てから帰りたいし、何度もマンタポイントで潜ることがあるかもしれないから、その暮らしぶりなどを、少しだけでも知っておくだけで、より感動的な石垣島ダイビングになるはずです。