自然光がなす幻想的な地形

#06

 石垣島が梅雨明けする6月下旬ごろから、夏の季節風といわれる夏至南風(カーチバイ)が吹きはじめ、そのあいだ島の南側の海は時化る日が続く。
 
 そんな海況の時は島の西側、御神崎の灯台をまわるくらいのところまで来ると、風の裏側になりこれまでの時化が嘘のように海は静かになり、穏やかなところで潜ることができる。

 御神崎や崎枝の周辺は、岩礁の張り出しがいくつもあり、地形が入り組んでいるため、海のなかは岩礁の下をくぐり抜けられるトンネルや、数人は入れるくらいの大きな洞窟やホールのような地形ポイントが多くあるのだが、けっして真っ暗な穴ではない。
 
 岩礁の切れ目から斜光が差し込んでいたり、大きなホールの真上からは、夏の陽射しが中にいるダイバーをスポットライトで照らします。
 入った時は少し暗く感じるトンネルでも、出口付近から明るい海が見えてるので、ちっともこわくないはず。

 地形ポイントでは、自然光がなすコントラストを思い切り楽しみたい。
参考までに、潜る時間帯によっても、差し込む光の強さや角度は違ってくるし、水面が凪いでいるかどうかによっても違いがあるという。

 トンネルをどんどん進んでいくと、水深がだんだん浅くなり、着いてしまった水面から頭を出すと、そこは御神崎灯台の真下で、観光客に手を振ったら応えてくれたなんていうおもしろいところがあるらしいのだ。
 
 夏のある時期は、半透明のカラダをしたテンジクダイの大群が、溢れ出るくらいに穴のなかを埋めつくし、出口の光がぼんやりとグラデーションしていて、それは幻想的でとても美しい光景でありました。
 
 薄暗い穴の中にいる小魚たちの群れと、水面から射す太陽光が重なるとき、ダイバーには逆光になるので、シルエットで見える魚の隙間から、こぼれ射し込む眩しい光は、日頃の疲れも吹き飛ぶ美しさなのだ。
 
 サンゴ礁域や砂地では見られないような、暗がりを好む魚類やエビ類の多くは、動きが鈍く、地味な色をしていても、水中ライトを照らせばとても美しい色であることがわかる。
 しかし、いきなり強い光を照らしてしまうと、それはもうビックリするくらい俊敏に、サッとどこかに逃げてしまうのだが、しばらくするとまたどこかからそっと顔を覗かせている。

 場所が動いて無くなることがない地形ポイントは、いつも根強い人気があり、灼熱の陽射しが照りつける、梅雨明けから夏の時期にぜひお勧めしたい。

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